SSTを学んだ人も、SSTをまだ学んでいない人もいると思います。
教室でSSTを学んだ人も、独学でSSTを学んだ人もいると思います。
SSTとは、ソーシャル・スキル・トレーニングの略で、対人スキルを型で教示して、実演しながら学んでいく訓練です。
主に子供の頃に習うものですが、大人の人も学びたいという需要があり、各地の施設で実施されています。
残念ながら、そんなにたくさんの日本全国の施設で行われているものでなく、教室で学べる人はまだ少ないです。
SSTの本はたくさん出ていますので、独学で学ぶことができます。独学で学んでも、ある程度の対人スキルは身に付きます。
最近では、YouTubeにSSTの解説・実演動画がアップされているので、それを見て学ぶのも効率的だと思います。
SSTはそういうものなのですが、このSST、限界もあります。
SSTを学べば、誰とでも仲良く、仕事の対人関係も、上手くこなせるわけではないのです。
SSTは、言わば対人関係の初歩の初歩、基本の基本を学んでいると言えます。
子供の頃の対人関係に役に立ったり、大人になっても同じ発達障害者どうしなら役に立ちます。
しかし、定型発達の人との関わりとなると、SSTでも歯が立たない。歯が立たないと感じている、発達障害の大人の人多いと思います。
このブログでは、大人の定型発達の人の対人関係はどのようなものか、
私たちが学ぶSSTとは何なのか、
SSTに限界があるとすると、私たちは大人の定型発達の人と、どのように関わっていけば良いのか、
この辺りを明確にして考えていきたいと思います。
定型発達の大人の対人関係
まずは、定型発達の大人の、コミュニケーションの特徴を観察してみましょう。
定型発達の人の会話はスピードが早く、ついていけない発達障害の人多いと思います。会話のキャッチボールのやりとりが早くて、時には相手が話し終わらないタイミングで話し始めることもあります。
察する力が強く、時に発達障害の人が理解できない、言葉に含みを持たせた物言いを楽しんで笑いあってることがあります。
聞いたことをすぐ応用する力が高く、臨機応変なやり取りが可能です。
状況を判断して適切な判断をすることも的確です。
こんなやりとりを見ていると、とても自分には及ばないという発達障害の人、多いと思います。
そして、定型発達の人の輪の中に入っていても、いつの間にかぽつんと取り残されています。
子供時代なら、いっしょに遊びたい時「仲間に入れてほしい」といえばよくて、SSTが役に立ちました。
大人になってからは、とても仲間に入ることができず、「いっしょに遊ぼう」なんて言えない。
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私たちが学ぶSSTとは何なのか
SSTで癇癪を起こさないとか、感情をコントロールするとか確かに役に立った。その他にも大人になってから、役に立ったSSTのスキルはたくさんある。
でも、定型発達の人と仲良くしたり、コミュニケーションを取りながら仕事したりというのは無理。
SSTって、最小限の人との付き合い方だったんだなって、今では思う。
でも、SSTを習わなければ、最低限の人との関わりさえ分からなかった。
SSTを習って良かったんだけど、社会人になってからの定型発達の人との関わりを知りたい。
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大人の定常発達の人と、どう関わっていけば良いのか
SSTって型を習って、パターンを繰り返すことを習っただけなんだなと思う。
定型発達の人の、臨機応変なやりとりや、応用力、察する力はどんなに頑張っても身につかない!と気づいた発達障害の人多いと思います。
どうすればいいのか?
小さい時からSSTを習って、育ってきた子は、成人してからでも、定型発達の輪の中にいられる場合があります。
例えば、表情・感情豊かで定型発達の人に人懐っこく接する能力を身につけており、多少定型発達の人に話しかける能力を持っていると、職場にいられるとか。仕事面では配慮してもらえたりします。
また、人柄の良い可愛い系の男性・女性は、可愛いのが好きな異性の子に相手にしてもらいやすかったりします。
人間性・人柄の良さ、表情・感情豊か、不器用でもリアクション、これをできるようになれば、ある一定の定型発達の人と仲良くすることができます。
でも、やっぱり定型発達の人の中には「とろいやつ」とか嫌がる人もいて、そういった人とは仲良くはなれないでしょう。
そして、定型発達の人の中には、人をいじめたり傷つけたりするのが平気な輩もたくさんいるので、そういう人にはなるべくた近づかないようにしましょう。また、傷つけられるようなことを言われても、無視して、もうその人にはなるべく近づかないようにしましょう。
また、人間性を鍛えていると、人間性の良い定型発達の人のグループへと引き寄せられていく面はあると思います。
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4~5年スパンで成長する発達障害者
こうやって、人間性の良い定型発達の人と接してコミュニケーションをとっていると、発達障害といえども、4~5年スパンで、コミュニケーション能力が成長していくようです。
発達障害って、障害だから成長しないように思うかもしれません。それは1~2年スパンで見ているからです。
4~5年スパンなら、全然しゃべれなかった子が、しゃべれるようになっていることはあります。私が実はそうです。
でも、定型発達の人と同じようなレベルのコミュニケーションが取れるわけではありません。
人間性の良い、定型発達の人に、コミュニケーションのレベルを落としてもらって、楽しくコミュニケーションができるレベルには達すると思います。
コミュニケーションのとりやすい、定型発達者と関われる場所
まず、会社選びで、人間性の良い人が多くいるような職場がいいですね。
ブラック企業は論外、ワルがたむろしているような職場も論外です。
今のご時世、どこも仕事がキツくなっており、みんなピリピリしており、人間性が良い人が多くいる職場を探すのは、困難かもしれませんね。
それでは、ボランティアを考えてみましょう。
ボランティアなら、人間性の良い人が集まっていて、仕事がきつくてピリピリに巻き込まれることも少ないです。
ボランティア先によって、人とのコミュニケーションが多いところと、全然コミュニケーションのないところがあります。
人とのコミュニケーションが多い、ボランティア先を選びましょう。
それから、SNSで、自分に合う人を探してつながって、仲良くなったら、オンライン会議で、コミュニケーションをするというのもありですね。
以上のことは、SSTの基本ができているということが、前提です。
それから、定型発達の人とコミュニケーションを取り始めて、4~5年くらい続けると、発達障害の人も、楽しみながら、定型発達の人とコミュニケーションをとることができるようになります。
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まとめ
・SSTは対人関係の基本の基本
・大人の定型発達の人との関わりは、SSTでも歯が立たない
・定型発達の人は、会話のやり取りのスピードが速く、言葉に含みを持たせた物言いを楽しみ、聞いたことをすぐ応用する力が高く、臨機応変なやりとりが可能です
・子供の頃はSSTが役に立った。大人になってからは役に立たない
・SSTは、最小限の人との付き合い方
・でも、SSTを習わなければ、最低限の人との関わりさえできなかった
・定型発達の人の、臨機応変なやりとり、応用力、察する力はどんなに頑張っても身につかないと感じている発達障害の人は多くいる。
・人懐っこいスキルを身につけていれば、定型発達の人の輪の中にいられる場合がある
・人をいじめたり傷つけたりするのが平気な人には、なるべく近づかない
・人間性を鍛えていると、人間性の良い定型発達の人のグループへと引き寄せられていく
・人間性の良い定型発達の人と接してコミュニケーションをとっていると成長する
・発達障害といえども、4~5年スパンで、コミュニケーション能力が成長する
・1~2年スパンでは成長は見えない
・人とのコミュニケーションが多いボランティアをしましょう
・SNSで自分に合う人とつながって、オンライン会議でコミュニケーションしましょう
・定型発達の人とコミュニケーションを取り始めて、4~5年くらい続けると、楽しみながらコミュニケーションが取れるようになる